はじめに
前回の記事では、民泊を始めようと思って最初に動いたところまでを紹介しました。
今回はその続きとして、実際にどんな条件で物件を探し、どうやって候補を絞り込んでいったかをお話しします。
✅ まずは「自宅近辺」からリサーチ開始
最初は、土地勘のある自宅周辺のエリアから物件を探しました。
民泊の経験がない段階では、やはり自分で足を運びやすい距離が安心です。
検索条件は次の通りです。
- 家賃:8万円前後
- 駅から徒歩15分以内
- 用途地域:住居地域以外(旅館業・民泊が可能なエリア)
🏡 自宅周辺エリアの特徴
自宅のある地域は、昔からファミリー層向けのベッドタウン的エリアです。
大型商業施設やマンションが点在し、住みやすさが評価されている一方で、観光客を対象にした宿泊施設はほとんど存在しません。
後の調査でわかったのですが、ホテルや旅館、民泊施設自体がほぼ皆無。
地元住民向けの住宅地として発展してきた地域でした。
📉 そもそも民泊に向かない土地だった
住宅街が中心のため、商業地域や近隣商業地域が極端に少ない。
また、条例によっても民泊には厳しい制限がありました。
たとえば、後に知ったのが――
文教地区(教育施設の100m圏内)では民泊許可が下りない
という上乗せ条例の存在。
地図で確認すると、小学校や中学校が点在しており、多くの住宅エリアがこの“100m圏内”に該当していました。
つまり、民泊をやりたくても、そもそも許可がおりない地域構造だったのです。
🚫 転貸可能物件が見つからない
SUUMOやHomes、民泊.comなどで探しましたが、
この条件で「転貸(サブリース)可能」と明記されている物件はゼロ。
不動産会社に問い合わせても、
「民泊運営はNGですね」
「転貸は不可になっています」
という回答ばかりでした。
💡 オーナーの心理を理解した瞬間
最初のうちは「どうしてどこも転貸NGなんだろう?」と疑問でしたが、調べを進めるうちにオーナーの心理が見えてきました。
民泊は“リスクが高そう”という印象を持たれやすい。
それなら、確実に家賃を払ってくれる通常の住居入居者に貸す方が安心。
人気の住宅地では入居希望者がすぐ見つかるため、あえて民泊運営者に貸す理由がない――というのが現実でした。
🧩 転貸OK物件の裏側
転貸を許可してくれる物件は、逆にいえばなかなか入居が決まらず空室期間が長いケースが多い。
オーナーも仕方なくリスクを取って、「民泊でもいいから誰か借りてほしい」という状況でようやく転貸OKを出す、というパターンです。
この構図を理解してからは、「転貸OK=ラッキー」ではなく、“裏に理由がある”と考えるようになりました。
🚀 次のステップへ
自宅周辺では民泊向け物件がほとんど存在せず、転貸可能な物件も見つからないという現実を痛感。
そこで私は、視点を変えることにしました。
「地元にこだわらず、もう少し範囲を広げてみよう」
まず、自宅のあるエリアだけでなく、自分と配偶者それぞれの出身地まで調査範囲を拡大。
土地勘があり現地の雰囲気も把握しやすいため、運営を具体的にイメージしやすいと考えました。
そして同時に、もう一つ新しい発想が浮かびました。
「AIを使えば、物件探しや条件整理をもっと効率化できるのでは?」
この時点で、AIツールを活用しながら、条件に合うエリアや物件を半自動で洗い出すという新たなアプローチを取り始めました。
この発想の転換が、後に大きな進展につながっていきます。
✈️ 次回予告
次回は、実際にエリアを広げた結果見えてきた民泊対応物件の候補と、現地確認で気づいたポイントを紹介します。

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